ファイナンシャルプランナー(FP)は、個人や企業の財務状況を分析し、最適な資金計画を提案するプロフェッショナルです。FP資格を取得するためには、幅広い知識と実践的なスキルが求められます。本記事では、FP技能士試験、AFP、CFPなど、各種FP資格に共通する6つの主要試験科目について詳しく解説します。
FPの全体像を解説しています。初学者の方は先にこちらをご覧いただいた方が本記事の理解がスムーズです。
1. ライフプランニングと資金計画
この科目は、個人のライフステージに応じた資金計画を立てる能力を養成します。
主な内容
- ライフプランニングの意義と必要性
- ライフステージごとの資金ニーズ(結婚、出産、子育て、住宅購入など)
- 社会保険制度(健康保険、厚生年金、雇用保険など)
- 公的年金制度(国民年金、厚生年金)と私的年金(企業年金、個人年金)
- 教育資金の計画と教育ローン
- 住宅ローンの種類と返済計画
- キャッシュフロー表の作成と分析
2. リスク管理
個人や企業が直面するリスクを特定し、適切な対策を講じる能力を養います。
主な内容
- リスクマネジメントの基本概念
- 生命保険の仕組みと主な商品(定期保険、終身保険、医療保険など)
- 損害保険の仕組みと主な商品(火災保険、自動車保険、傷害保険など)
- 第三分野の保険(がん保険、介護保険など)
- 保険契約の法律知識(保険業法、保険法)
- 企業のリスクマネジメント(事業継続計画、D&O保険など)
3. 金融資産運用
様々な金融商品の特徴を理解し、適切な資産運用プランを提案する能力を養成します。
主な内容
- 金融・経済の基礎知識(金利、為替、インフレーションなど)
- 預貯金商品(普通預金、定期預金、外貨預金など)
- 債券(国債、社債、外国債券など)
- 株式(株式投資の基本、株価指標、配当など)
- 投資信託(種類、特徴、リスク、手数料など)
- デリバティブ(先物、オプション、スワップなど)
- ポートフォリオ理論と資産配分
- 金融商品取引法と投資家保護
4. タックスプランニング
税制を理解し、適切な節税対策を提案する能力を養成します。
主な内容
- 所得税の仕組み(所得分類、課税所得の計算、税額控除など)
- 法人税の基本(益金、損金、税額計算など)
- 消費税の仕組みと計算方法
- 相続税・贈与税の基本(課税対象、税率、基礎控除など)
- 不動産取得税、固定資産税などの地方税
- 国際課税の基本(居住者・非居住者の課税関係など)
- 税務申告の実務(確定申告、年末調整など)
5. 不動産
不動産の取引や運用に関する知識を習得し、適切なアドバイスを行う能力を養成します。
主な内容
- 不動産の種類と特徴(土地、建物、区分所有建物など)
- 不動産取引の法律(宅地建物取引業法、建築基準法など)
- 不動産登記制度
- 不動産の評価方法(路線価方式、倍率方式など)
- 不動産投資(収益物件の分析、REIT、不動産投資ファンドなど)
- 不動産関連税制(固定資産税、不動産取得税、譲渡所得税など)
- 不動産の有効活用(賃貸、売却、相続対策など)
6. 相続・事業承継
相続や事業承継に関する法律と税制を理解し、適切な対策を提案する能力を養成します。
主な内容
- 相続法の基礎(法定相続人、遺留分、遺言など)
- 相続税の計算方法(課税価格の計算、基礎控除、税額計算など)
- 贈与税の仕組み(暦年課税、相続時精算課税制度など)
- 事業承継の基本(事業承継の形態、問題点、対策など)
- 非上場株式の評価方法
- 事業承継税制(非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度など)
- 相続対策(生前贈与、遺言信託、生命保険の活用など)
これらの6科目は相互に関連しており、総合的な知識が求められます。FPはこれらの知識を活用して、顧客の状況に応じた最適なファイナンシャルプランを提案することが期待されています。
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